少女
代々木駅前のスクランブル交差点の正面にそのJAZZ BARはあった、ご多聞にもれず
地下にあるお店に降りて行くとマホガニー色の一枚板の机の定位置に腰掛け
「キャットブレンドをお願いします」と頼んだ
この店が『キャット ブラック』という名前だからキャットブレンドなのか?
と一人事を漏らしていた
「まだ3時か?時間があるなぁ」とデリダの『マルクスの亡霊たち』を出してパラパラ
とめくりながら読み始めた
その時ふととりとめもない想が浮かんだ〈植木等をヒーローとしてゴルゴ13のストーリー
を掛け合わせて1.5で割ったドラマを作ったらどうなるだろう?ーハードボイルド風ハチャ
メチャストーリー・・・??行けるかな?チャイニーズ・ゴースト・ストーリーよりはイケる
かも、ウケるかもー
と思念がスパークした
現れた17才くらいの少女は道流の左隣にすわった
ーフイットしたと感じた、もし彼女が右に座ったら彼はそのまま立って帰るつもりであった
しかし彼女は左に座った、彼女の話を聞こう、支えようと思ったー